【第3話】埋めたい距離

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  「……それで、今日は何の用だったわけ?」 突然の質問に、俺は眉を寄せてから猪口の中の酒をぐっと飲み込んだ。 「用がなきゃ、ダメなわけ?」 「いや、ダメっていうか……わざわざウチに来ることなくない?」 言いながら、俺の猪口にまた日本酒を注いでくれる羽村。 まずはその酒を味わって、俺は思案する。 羽村のこの言い方……どう考えても、逃げ道、探してるよな? まあ、想定内だ。 快く受け入れてくれているとは思っていない。 .
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