【第3話】埋めたい距離

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  「……もしかして羽村、あれで終わりだと思ってる?」 「……な、にが……?」 俺が笑えば、羽村は引き攣る。 可笑しいよな、同じ空間にいるのに、感情はまるで逆なんて。 質問の意味がわからなくて、尋ねているわけじゃないんだろう。 その答えを知りたくなくて、場を繋いでいるだけに見える。 ……顔では笑っているけれど、俺だって少しは悲しいんだぞ。 この時間を楽しんでいるのが俺だけかもしれないと思うと、胸が締め付けられるみたいになるなんて、お前はちっとも気付かないだろうけど、な。 .
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