【第3話】埋めたい距離

19/24
前へ
/24ページ
次へ
  ……? 「……長瀬、起きて」 ……微かに、声が聞こえてくる。 ……何だよ、いま、すげー気持ちいいんだよ。 邪魔、すんなよ……。 そんな気持ちで顔を歪めると、今度は胸の辺りを軽く叩かれた。 「長瀬、ほら、朝だよ」 その声の主を瞬時に認識して、俺は頷く。 「……ん」 いま腕の中にいるのは、羽村だろ。 わかってるよ。だからこんなに……あったかくて落ち着くんだよな。 俺は何度も、頷いた。 なのに次は、肩を強く揺すられる。 .
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1341人が本棚に入れています
本棚に追加