【第3話】埋めたい距離

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  「なーがーせ」 羽村の声が俺を呼ぶ。 何だか少し愉快そうに聞こえるのは気のせいか。 ……あーもう、うるせーな。 わかったよ、起きりゃいーんだろ、起きりゃ。 ゆっくり顔を上げると、至近距離に、愛しい女の顔。 「……起きた?」 ……それでいて、覗き込むようなことされりゃ、そりゃ、さ。 ちゅ。 キスのひとつくらい、したくなるっつーもんだろ。 まだはっきりと働かない頭で、羽村を見つめる。 呆然としている彼女に、俺は苦笑した。 .
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