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「なーがーせ」
羽村の声が俺を呼ぶ。
何だか少し愉快そうに聞こえるのは気のせいか。
……あーもう、うるせーな。
わかったよ、起きりゃいーんだろ、起きりゃ。
ゆっくり顔を上げると、至近距離に、愛しい女の顔。
「……起きた?」
……それでいて、覗き込むようなことされりゃ、そりゃ、さ。
ちゅ。
キスのひとつくらい、したくなるっつーもんだろ。
まだはっきりと働かない頭で、羽村を見つめる。
呆然としている彼女に、俺は苦笑した。
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