【第3話】埋めたい距離

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  ……絶対、逃がさない。 眠る前のまどろんだ時間も。 抱きしめた腕の中のぬくもりも。 寝起きの無防備なその顔も。 全部、俺だけのものだ。 これが、歪んだ表現だということは理解していた。 他にもっとマトモな方法だってあっただろう。 でも、もう、遅い。 俺は、羽村が確固たる意志を持つ前に…… そう、戸惑って対処できずにいるうちに、俺といることを“習慣”みたいなものにしてしまおうと考えていた。 羽村が気付かないうちに、俺を刷り込んでやる。 絶対に、逃がしてなんか、やらない。 朝日を背にして、俺は決意を新たに歩き出した。 .
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