【第3話】埋めたい距離

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  逸る気持ちを抑えて彼女の部屋のドアを開けた俺に。 一番に飛んできたのは、こんな言葉。 「……本当に来る? 普通……」 しかも、頬を引き攣らせながら。 これが俺の片思いの相手だっつーんだから、泣ける。 俺は気にしないフリをして、宣言通りに買ってきた日本酒を手渡した。 「行くっつったら来るだろ、普通」 「そーじゃなくてさあ……」 ブツブツ文句を言いながら部屋へと戻る羽村の背中を見て、ぼんやりと思う。 .
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