1198人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
先に酔い潰れたのは、羽村だった。
当然と言えば当然だ。俺とは疲労感が違う。
そうさせてやりたかった部分もあったわけだから、思惑通りとも言えるだろう。
ソファで今にも目を閉じてしまいそうになっている彼女に、そっと囁く。
「……おい、そこで寝るなよ。ちゃんとベッドで寝ねーと疲れ取れねーぞ」
「んー……、わかってるってー……」
俺は溜息を吐いて呟く。
「わかってねーだろ、絶対」
「んんー……?」
唸った羽村はもう、瞼を持ち上げる力もないらしい。
放っておけば確実にここで朝を迎えてしまうだろう。
「……ったく」
大人なんだか、子供なんだか。
呆れたように息を吐いた俺は、落ちる寸前の彼女を抱えて寝室へ向かう。
.
最初のコメントを投稿しよう!