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事は思惑通りに進んでいた。
以前と同じように飲みに行くのは変わらない。
が、外に出るのではなく羽村の家で飲むことが増えた。
最初こそ無理矢理上がり込んだが、そのうち慣れたんだろう。
羽村は俺が持ち込む酒に合わせて料理を作ってくれるようになった。
時には俺が料理を振る舞うこともあった。
簡単ですぐにできるようなものばかりだったが、羽村は興味深そうにレシピを尋ねてくる。
レシピというほどのものでもない、と思いながらも気分は悪くなかった。
羽村は、抵抗することを諦めたように見えた。
何を言ったって俺が退かないことを知っているからだろう。
抵抗しても無駄だと、どこかで気付いたのかもしれない。
そうやって、じわじわと、羽村と過ごす夜に変化を刷り込んだ。
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