【第4話】揺れる瞳と揺らされる心

23/28
1198人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
  しばらくして、羽村が気を取り直したように「よしっ!」と言った。 俺の方をまっすぐ見て、ニッと笑う。 「長瀬、飲もう!」 そう言って猪口を持ち上げた。 俺も苦笑しながらそれに倣い、残りの日本酒を指差して尋ねる。 「そーだな。次はどっちにするんだ?」 「んー……、こっち!」 「オッケ」 調子を取り戻してきた羽村と、どこかこの空間に新しい何かを見つけて微笑む俺。 思惑は違えど、隣にいる空気は何にも代え難いものだと感じた。 .
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!