【第5話】ひとりの夜

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  現に、俺の足は貼り付いたままだ。 その理由は浅はかな期待。 ……もしかしたらすぐに、帰ってくるかもしれない。 そんな気持ちが捨てられなくて、ここから動くことを躊躇している、なんて。 情けないどころの話じゃない。 一歩間違えればストーカーだ。って犯罪じゃねーか。 もう一度見上げても、羽村の部屋に明かりはない。 わかりきっているのに確認してしまうのは、どういう理屈だろう。 「……かっこわる」 呟いた言葉は、夜空に消えた。 .
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