【第5話】ひとりの夜

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  ここでずっと待っている、なんて、逆に不気味だな。 そんなことを思い、未練を振り切るように俺は自分の家へと向かった。 途中、コンビニに寄り、目についた酒を片っ端からカゴへと放り込んだ。 つまみを作る気にもなれなかったから、枝豆やらチーズやらも適当に。 ずっしり重くなったカゴをレジへ運び、会計をして。 夜風が冷たい外に出ると、また溜息が出た。 酔えたらいい、と思った。 酔ってこのもやもやした気持ちが軽減されるのなら、願ってもないことだ。 いつもなら何となく気分が軽いはずの金曜日。 なのに俺の心は晴れないままだ。 約束、しとけば良かったな。 そんな後悔が何度も巡り、女々しい自分が嫌になる。 あー、駄目だ。 早く帰ってビール飲んで、紛らわそう。 そう決めて、ジャケットの襟に口元を埋めるようにして、家へと急いだ。 .
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