【第5話】ひとりの夜

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  「……こんなんじゃ、酔えねーか」 以前買い込んでいた焼酎を取り出し、ロックで飲む。 ひとりきりの週末の夜は長く、いつも以上に冷え込んでいるように感じる。 自然と、心の中で、彼女を呼んでいた。 なー、羽村。 ……じゃなくて。 ミオ。 普段は絶対に呼べない名前は、特別な響きを持っていて。 傍にいられる時間を期待した分だけ、ひとりの夜には切なさが募る。 思い浮かべた彼女の笑顔に、癒されながらも心がきゅうっと締め付けられる。 なあ、ミオ? お前がいないと、夜はこんなにも淋しいものになるんだな。 自分から出たとは思えないほど女々しい思考に苦笑して、俺はまた酒をあおった。 .
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