1701人が本棚に入れています
本棚に追加
仕事に追われる日々を送ると余計に、羽村と過ごした夜が恋しい。
そうは思ってもなかなか上手く時間を作れずにいた。
それから数週間後の、夜のこと。
「……終わっ、たー……!」
ちょうどオフィスに戻ってきた俺が見たのは、羽村が思いきり伸びをしているところ。
微笑ましく思いながら、そっと買ってきた紅茶の缶を差し出す。
「おう、お疲れ」
「ありがとー」
体を起こした彼女はそれに手を伸ばし、表情を緩めた。
少しだけホッとする。
良かった、好みは外さなかったようだ。
まあ、よく飲んでるし、コレが好きなの、何となく知ってたけどな。
「頑張った、ご褒美な」
「……ありがと」
「おー」
喜んでくれたことに気を良くしていた俺の言葉に、羽村は何故か曖昧に笑う。
.
最初のコメントを投稿しよう!