【第5話】ひとりの夜

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  「すみません、今度は準備します」 「楽しみにしてるわ」 身に染み付いたかわし方を見て、三浦さんはさらりと受け取ってくれた。 が、その隣の羽村は引き攣っている。 ……言いたいことはわかる、が。 そんなにわかりやすくリアクションされると、こっちまで引き攣りそうになるからやめてくれ。 三浦さんの用件は鳳凰堂にデータを届けること、だった。 届け先は小野さんらしい。 神谷さんの名前が出なかったことに、内心ホッとした。 羽村はまた一口紅茶を飲むと、「ふう」と息を吐いて画面に向かう。 俺はその様子を見ながら、頭の中で計算した。 .
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