【第5話】ひとりの夜

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  「……あれ」 見上げた羽村の住むマンション、彼女の部屋は暗かった。 時計を見て時間を確認する。 22時、か。 羽村が会社を出て行ったのが20時頃だから、鳳凰堂への用事はもう終わっているはずだ。 届けるだけだと言っていたし、すぐに家に帰るのかと思っていたのに。 一応、インターフォンを押してみる、が、もちろん反応はなかった。 そういや、何の連絡も入れてねーな、俺。 勝手にいいアイデアがひらめいたと喜んでただけだ。 自分の浮かれっぷりに呆れる。 せめてメールだけでもしておくべきだった。 溜息とともに、ふと、思いつく。 .
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