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「……あれ」
見上げた羽村の住むマンション、彼女の部屋は暗かった。
時計を見て時間を確認する。
22時、か。
羽村が会社を出て行ったのが20時頃だから、鳳凰堂への用事はもう終わっているはずだ。
届けるだけだと言っていたし、すぐに家に帰るのかと思っていたのに。
一応、インターフォンを押してみる、が、もちろん反応はなかった。
そういや、何の連絡も入れてねーな、俺。
勝手にいいアイデアがひらめいたと喜んでただけだ。
自分の浮かれっぷりに呆れる。
せめてメールだけでもしておくべきだった。
溜息とともに、ふと、思いつく。
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