【第6話】ひねくれた嘘

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  「ふーん……」 俺は目を細めて羽村を見た。 何故かゆっくりと、彼女は目を逸らす。 そのリアクションにすらムッとしてしまう、けれど。 今ここで問い詰めても、仕方ねーか。 気を取り直した俺は、今晩の予約を取りつけにかかる。 「ま、後で聞くとするか。今日はワインにするか?」 「えっ……今日、来るの?」 即座に返ってきたのは、拒否を匂わせる返答。 思わず顔が歪んでいくのを止められはしなかった。 俺は一歩羽村に近付き、彼女の瞳に鋭い視線を投げる。 「……やっぱり何かあったんだな?」 「な、何もないって!」 必死に否定することが余計に怪しいと、わかっているんだろうか。 じっと見つめていた羽村の表情を見ていたら、また意地の悪い台詞を吐きたくなってくる。 俺は羽村の耳元に、そっと顔を寄せた。 .
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