【第7話】幸福な朝とつかの間の日常

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  あー、いい天気だ。 会社へと向かう羽村とは途中で別れ、もう俺の家は目前に迫っていた。 昨日までとは違い、心は何だか少しだけ、晴れやかなものに変わっている。 ……朝の時間を一緒に過ごすのって、いいな。 夜の時間の甘さとはまた違う、ホッとするような雰囲気。 じわじわと実感するような、何気ない幸せが小さく積み上げられていくような。 あれがもし、日常になったらどんな感じなんだろう。 朝、目覚めたら隣に羽村がいて。 『おはよう』って言い合って、一緒に朝食を食べて。 同じ家にいながらも違う行動で支度を済ませて。 『じゃ、行こうか』とか言って二人で部屋を出る。 ……想像してみると、顔が緩んでいくのを止められなかった。 .
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