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「なんでフツーにシャワー使ってんの……?」
唖然、といった様子で呟いた羽村に、俺の方が首を傾げる。
「あ? そりゃ使うだろ、汗かいたし」
「じゃなくて!」
声を張り上げる彼女の言葉を遮るように、少し小馬鹿にした口調で言い返す。
「何を今更。シャワーくらいでガタガタ言うなよ、もっとスゲーことしてんのに」
「なっ、アンタそのセクハラ発言何とかしなさいよ!」
「朝から元気だな、お前は」
笑ってしまいそうになるのを溜息で誤摩化して、俺は立ち上がった。
羽村の目の前まで回り込むと、彼女は何故かわずかに後ずさって「な、何よ……」と弱々しい声を出した。
強気な態度がしおれていくのが可笑しくて、思わず浅い笑みをこぼしてしまう。
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