【第8話】普通で特別な休日-1

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  土曜日。 目覚めた時にはもう、正午を回っていた。 目覚ましをかけずに眠ったせいかもしれない。 金曜の夜に仕事が立て込んだこともあって、疲れもあっただろう。 もう少し眠っていたい気もするが、次に目を覚ましたら夕方になってしまいそうだ。 洗濯やら掃除やらをそんな時間からする気にはなれない。 「……あー……」 まだ布団に埋まっていたいと抵抗する体を無理矢理起こし、ストレッチするように伸ばす。 酸素をたくさん取り込めば、頭も回り出すだろう。 寝室のドアのすき間から差し込む光が眩しい。 今日も天気が良さそうだ。 大きく息を吐いて、俺はようやくベッドから抜け出した。 .
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