【第8話】普通で特別な休日-1

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  目覚めてからは早かった。 やるべきことを終え、小さな達成感を覚えながら部屋を見回す。 これで来週も適度に快適に過ごせるだろう。 時計を見ると、15時半を過ぎていた。 起きてからパンを少しかじっただけだから、腹も減ってきた。 今週は自炊することもなかったし、冷蔵庫は閑散としている。 ……ビールやワイン類は別として。 「久々に、何か作る、か?」 ぽつり、呟いてから思案する。 つっても俺は羽村と違ってそこまでレパートリーがあるわけでもないしな……なんて考えていたら、ふと思いついた。 ……そーいや、羽村はどーしてんだろーな? 近所に暮らす彼女のことを思い浮かべると、途端にもう、あの部屋で過ごす時間が恋しくなってくる。 .
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