【第8話】普通で特別な休日-1

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  だが。 いままで一度も、休日に連絡したことは、ない。 思い返せば、羽村と過ごしたことがあるのは仕事終わりのタイミングだけだ。 テーブルに無造作に放っていた携帯を拾い上げて、羽村の名前を呼び出す。 電話……、いや、メールにしておこう。 新規作成したメールの文面をあれこれ悩みながら、最終的には端的な文言で落ち着いた。 『今、家?』 ……送ってから、目的のわからないメールになってしまったような気がしてきて、じいっと携帯を睨みつけて思案した。 が、送ったメールを戻せるはずもなく、諦める。 .
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