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「……っ、そういう発言、やめてくれないかなぁ……?」
埋もれていた布団から顔を上げ、俺を睨んでくる。
さっきまでのまどろみはどこかへ吹っ飛んでしまったようだ。
「あれ、起きた?」
「起きるわよ、嫌でも」
首を傾げてその顔を見ると、また嫌そうに頬を引き攣らせて俺を見返してきた。
そんな怖い顔したって無駄だぞ。
こうしてお前を抱きしめていられる安心感の方が勝るんだよ、俺は。
腕の中に閉じ込めた柔らかいぬくもり。
そしてなめらかな髪の手触りが、俺の心に小さな幸福の光を灯す。
好き放題に頭を撫でていたら、羽村がもぞもぞと身をよじった。
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