【第9話】普通で特別な休日-2

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  確かに、承諾してくれるとは思っていなかった。 が、ここまであからさまに嫌な顔をされると……いっそ清々しいのはどうしてだろう。 素直過ぎる羽村の率直な感想は、ある意味痛快だ。 傷付くとか、そういう感傷に浸るより先に、愉快な気分がこみ上げてきて、我慢できずに俺は吹き出した。 「はははっ! あー、ホント、マジで面白れーなぁ」 腹を抱えて笑う俺に、羽村の眉間のシワは深くなる。 「全然面白くないわよ、話聞いてた?」 そう言いながら、俺の方を不思議そうに……いや、変なものを見る目で様子を窺っている。 それすら可笑しくて、俺の笑いは止まらなかった。 .
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