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ゆるゆると髪を撫でていた、ら。
「……もったいねーな」
「へ?」
羽村の間の抜けた声で、自分の心の声が漏れていたことに気付く。
言いたくはなかったが、こうなってしまったら仕方ない。
俺はできるだけ何でもない風を装って、『もったいない』理由を紡いだ。
「……お前の元カレ。損してる」
「なにが……」
また眉を寄せた羽村の頭の形を確認するように、その心地良い髪をするりと撫でた。
「こんなに綺麗で気持ちいいのに。お前の髪」
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