【第9話】普通で特別な休日-2

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  ゆるゆると髪を撫でていた、ら。 「……もったいねーな」 「へ?」 羽村の間の抜けた声で、自分の心の声が漏れていたことに気付く。 言いたくはなかったが、こうなってしまったら仕方ない。 俺はできるだけ何でもない風を装って、『もったいない』理由を紡いだ。 「……お前の元カレ。損してる」 「なにが……」 また眉を寄せた羽村の頭の形を確認するように、その心地良い髪をするりと撫でた。 「こんなに綺麗で気持ちいいのに。お前の髪」 .
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