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化粧が施せる顔とは違い、素のままでしかいられない髪。
だからこそ、ちゃんと手入れされているかどうかがすぐわかるものだと思う。
この長さの髪を綺麗に保つのにどのくらい労力を使うのかはわからなかったが、羽村の髪は柔らかくて気持ちよかった。
その魅力を知らないままでいる男は損している。
そう思ったが、いや、と思い直した。
俺だけが見つけたのなら、その方がいい。
反論するのをやめて黙り込んだ彼女を抱きしめながら、黙ってただ、髪に触れる。
軽くすくい上げて、はらはら落とす。
わずかな光を浴びて艶めくその様子は美しく、とても魅惑的だった。
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