1539人が本棚に入れています
本棚に追加
ずっと撫でていたい、という気持ちに区切りをつけて、軽くシャワーを浴びた。
スッキリした気分で部屋に戻るが、羽村はいない。
寝室に入り、まだベッドで微睡んでいた彼女を揺り起こす。
「風呂入って来いよ。飲み直そーぜ」
「……ん」
力なく頷いた羽村が、よろよろと起き上がって毛布を体に巻き付けたままで風呂場へと向かう。
何度『散々見た後だ』と言ってやっても、彼女は頑に俺に肌を見せるのを拒んでいた。
シャワーの水音が微かに聞こえてから、俺はテーブルに残った料理を温め直すことにした。
ただ待っているのも手持ち無沙汰で、冷蔵庫から冷えたビールを取り出す。
乾いた喉を通り抜けていく泡が、体中に染み渡るようだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!