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そんなことをいわれても、タツオにもどうしようもなかった。アクセスカードというけれど、どこにどうアクセスすればいいのかわからない。ディスプレイでは見つめているとめまいを起こしそうな超高速演算による複雑怪奇な壁紙が揺れるだけだ。
「どうすればいい」
「わからない」
もうどうにでもなれ。タツオはエンターキーを叩(たた)きつけるように押した。腹に響く爆発音が狭いブースを揺らした。タツオは目を閉じた。アクセスカードではなく、新型の爆弾だったのではないか。ジョージも隣りで硬直している。
「おーい、戦争映画観るなら音下げろ」
向かいのブースから、男が叫んでいた。爆発音が再び聞こえた。タツオにもわかった。これはデスクの上にあるスピーカーから流れているのだ。映像は豪勢な宮殿の一室だった。壁には巨大な肖像画がかかっている。タツオも歴史の教科書で見たことのある顔だった。ウルルク王国の中興の祖、アクシパⅣ世だ。
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