【第10話】仮説と結論、その裏側

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  羽村の恋愛感情の矛先。 それは、普段は考えないようにしていることだ。 俺の都合の良い結論に行き着かない、ということが主な理由だが。 ……神谷さんとはどうなっているんだろう。 あの日、俺が羽村の嘘を暴いた夜。 俺が誘いをかけない日には、神谷さんと飲みに出たりしているんだろうか。 それとも……もしかすると、家で? 俺を迎えてくれる時のように、料理を作って酒を飲んでいるんだろうか? ……想像だけで、苛立ちが募る。 自然とキー操作が荒くなっていくことに気付いて、キーボードから手を離した。 ふう、と大きく息を吐いて、冷静になれと自分に言い聞かせる。 たいていは片付いている羽村の部屋に、他の男の痕跡を見つけることはなかった。 ここ数週間の間に大きな変化は、特になかったと思う。 だから安心だ、とは言えやしないが。 .
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