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それから、にわかに忙しい日々が始まって。
飲みに行くどころか、羽村とマトモに会話する時間もなかった。
寂しい、と思うのは仕方のないことで。
だからといって仕事を放棄するなんてわけもなく。
少しつまらなく感じるだけの毎日を送っていた。
そんなある日の打ち合わせ終わり。
軽い雑談中に取引先の担当者が何気なく話し始めた。
「今度、あるメーカーとタイアップしてイベントをやるんですよ。プラネタリウムで」
「へえ、それは面白そうですね」
人好きのする笑顔を浮かべた俺に、彼は「そうだ」と言って鞄の中をごそごそと探った。
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