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羽村と約束した週末に向け、少し浮かれた気分で日々を過ごしていた週の半ば。
昼休憩の時に、また高井に声をかけられた。
断る理由もなかったので了承し、またあの蕎麦屋に行くことにした。
「高井は蕎麦が好きなんだね」
「どちらかというと、うどんより蕎麦派です」
「そっか。どっちも捨て難いけどね」
笑った俺に、高井も頷く。
店に入って食事を済ませてから、高井は本題を切り出した。
宮野との結婚が決まった、という。
何か話したいことがあるんだろう、ということはわかっていた。
が、さすがに驚いた。
一瞬言葉を詰まらせてしまった俺は、咄嗟に苦笑した。
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