予感とその前兆

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  ふう、と息を吐いた俺は、とりあえず今の段階で言えることだけを伝えることにした。 「わかんねーならいいよ。ま、頑張れ」 「頑張りますよー、だ」 皮肉にでも聞こえたのか、羽村はいーっ、と歯を出して顔を崩した。 思わず苦笑した俺に、メールについて念押しして、羽村はMacへと向き直る。 ……俺、嫌な予感は当たるんだよな、昔から。 そうわかっていたのに、何の手立てもできなかった自分を呪う。 あの御園とかいう担当者がきっかけで、羽村との間に亀裂が走ることになるとは……この時点では微塵も予想してはいなかった。 .
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