予感とその前兆

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  週明け、羽村と話していた通りに、預かりになっていた仕事がいくつか同時に動き出した。 穏やかだった先週までとは違い、また新しい波が襲ってくることを感じさせる。 「さーて、と。頑張りますか」 「そーね」 島田さんとの打ち合わせを終え、席に戻る途中に呟いた言葉に羽村が同意する。 新しい仕事へと頭を切り替えようとしていたら、後ろから佐川さんに呼び止められた。 「おーい、長瀬、羽村。ちょっといいかー?」 「あ、はい」 「はい」 振り返った先、佐川さんは受話器の口を押さえながら手招きしている。 どうしたのかと駆け寄ると、佐川さんが俺達に確認するように尋ねてきた。 .
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