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御園さんとの案件が走り出して一週間が経った。
今日は鳳凰堂関係者に向けてのビジュアル提案の日だ。
提出物の確認を終えた羽村が、宮野に声をかけている。
「ユリナちゃん、準備できた?」
「はいっ!」
「よし、じゃ、行こっか」
頷いた彼女は、きゅっと結んだ髪を翻し、佐川さんに声をかけた。
「佐川さん、行ってきます」
「おう、頑張れよ」
「はい」
声に力があるのは、気合いの表れだろうか。
ピンと背筋を伸ばしてフロアを出ていく彼女を見送っていたら、入れ違いに高井が俺の元へと歩み寄ってきた。
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