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休憩室で前にしたのと同じように飲み物を買い、座るとすぐに話を切り出した。
「最近、羽村と御園さんとのやりとりはどんな感じかな?」
「えっ?」
いきなり直接的な聞き方をしたからか、目を丸くした宮野。
焦っているのは自覚していたが、少し急ぎ過ぎたようだ。
俺は困ったような笑みを浮かべ、宮野に語りかけた。
「いや、メールや電話で仕事の進行はだいたい把握してるんだけど……他に、羽村から何か聞いてないかなと思って」
「澪先輩から、ですかぁ……?」
うーん、と唸った宮野が少し悲しげに目を伏せて言う。
「でも澪先輩ってぇ、あんまり御園さんとのこと……言ってくれないんですよねぇ」
「……だろうね」
思わず溜息がこぼれる。
羽村の性格を考えれば、宮野に対して不用意に不満を漏らすことはないことくらい、わかるのに。
少しでも手がかりをつかみたくて、動いた結果がこれだ。
宮野にも悪いことをしたと思い、切り上げようとしたら……「あ」と目の前の後輩が声をあげる。
「そういえばっ!」
「何?」
「担当を替わる替わらないみたいな話してるの、聞こえたことありましたっ!」
「はっ?」
担当を? 替える?
って……御園さん相手にしているのなんて、あの案件以外にないよ、な?
突然放り込まれた内容に理解が追いつかず、眉を寄せた俺に、宮野は「そうですぅっ!」と言ってぶんぶん首を縦に振る。
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