【第20話】決別と、そして

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  「角度の問題でそー見えたんだろ? 俺から抱いたりしてねーよ。勝手に寄っかかってきたから適当に流しただけ」 めちゃくちゃ不快だったけど耐えたんだよ。 あの場ではそーするしかなかったっつーか…… いや、今となっては浅い考えだったことは認めるが、あのときはああやって受け流すのがベストだと思ったんだよな。 「で、でも……」 俺の語る真実に、羽村は眉を寄せる。 それは何かを咎めているようにも見えた。 さっき俺が立っていた場所にもう一度視線を走らせる彼女を見て……ふと思い当たる節を言ってみる。 「拒否して騒がれたら後々面倒だろ。余計お前に当たり散らすの、目に見えてたし」 さっきとは、ワケが違うんだって。 撮影現場で騒がれたなんてことになったら悲惨だったろーし。 なんて言葉を言外に含めた俺の発言に、羽村は目を見開き、驚きを顔全体で表現していた。 それは何に対する驚きなのかはわからなかったが、嫌な雰囲気はない。 ふと、添えるだけになっていた手に力を込め、羽村の頭をゆらゆらと揺さぶってみる。 .
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