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「相当重いわよこれ。よく袋破れなかったわね」
「二重にしてもらったからな」
「だからってこんなにたくさん買い込まなくても……」
何だか呆れたように溜息を吐かれ、思わず目を逸らしてしまった。
お前との時間が楽しみで、お前に喜んで欲しくて、俺が勝手にしたことだとはいえ…少し悲しい。
拗ねている、そう自覚しながらも、俺はぼそっと呟いた。
「……何作ってくれてるか、わかんなかったからだよ」
「え?」
くそ、何回も言わせんなよ、こんなこと。
俺は羽村の声を無視して、いつものソファにどかっと座り込んだ。
照れ隠し、というには可愛げのない行動だ。
随分、偉そうな動きに見えたに違いない。
ガキみたいな自分の行動を取り繕うために、顔だけでもと振り返って弁解する。
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