【第21話】取り戻した距離、踏み込めない溝

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  「相当重いわよこれ。よく袋破れなかったわね」 「二重にしてもらったからな」 「だからってこんなにたくさん買い込まなくても……」 何だか呆れたように溜息を吐かれ、思わず目を逸らしてしまった。 お前との時間が楽しみで、お前に喜んで欲しくて、俺が勝手にしたことだとはいえ…少し悲しい。 拗ねている、そう自覚しながらも、俺はぼそっと呟いた。 「……何作ってくれてるか、わかんなかったからだよ」 「え?」 くそ、何回も言わせんなよ、こんなこと。 俺は羽村の声を無視して、いつものソファにどかっと座り込んだ。 照れ隠し、というには可愛げのない行動だ。 随分、偉そうな動きに見えたに違いない。 ガキみたいな自分の行動を取り繕うために、顔だけでもと振り返って弁解する。 .
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