1327人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「だーかーら。羽村が何作ってるか聞いてなかったから、迷ったんだよ。どの酒が合うかわかんねーし、お前が何飲みたいかも思いつかねーし。考えんの面倒くさくなって目についたもん買ってきただけ。以上!」
「以上、って……」
言いたいことだけ言って、勝手に話を終わらせた。
面倒くさいとか、随分雑な言い方になったような気がする。
が、この会話を続けられると困る。
恥ずかしいっつーか、キャラじゃねーし、こーゆーの、無理。
戸惑っているのか何なのか、固まったままの羽村に歩み寄り、その手にある袋の中からビールを抜き取った。
「もーいいから早く食おうぜ。どれもこれも、すげーうまそう。最初はビールだな」
ソファへ戻り、料理を前にすると、顔がどうしてもニヤついてしまう。
見事なまでに、好物ばかりだったからだ。
俺が来るとわかっているとき、羽村はいつも数品作ってくれている。
が、今日はいつも以上に品数が多い。
.
最初のコメントを投稿しよう!