1667人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
うららかな、というよりは、少し暑く感じる初夏の日差しに包まれていた午後。
俺は羽村の部屋でのんびりとテレビを眺めていた。
「あーこれ何だっけ、ね、長瀬」
「んー?」
「これ、このCM! ちょっと前に違う俳優さんがやってたよね? 誰だったっけ……ど忘れしちゃった」
「そーだったか?」
「そーだよ! あー思い出せない、気になる!」
「別に、どーでもいいじゃねーか」
「良くないよ!」
もう、なんて不満げに漏らす羽村が何だか可愛くて、俺は彼女にもたれる。
「重っ」なんて言いながらも逃げないのをいいことに、その腰に腕を伸ばした。
「ちょっと、私の話聞いてる?」
「聞いてる」
「嘘ばっか……って、ちょっと!」
言いながら、彼女の服に指を侵入させた俺に、高い声で制止が入る。
.
最初のコメントを投稿しよう!