【番外編】またひとつ、好きになる

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  自信がない、訳じゃない。 でも、確信なんてものは、なかなか持てるもんじゃない。 現に羽村は、俺の存在を家族には話していない。 俺はどうなんだと言われると、元々没交渉なものだから、それが普通だと思っている、が。 これまで家族の話は何度か出てきている。 実際、これだけ仲の良さそうな姉妹なら、彼氏の存在となれば会話に出てきたっていいものだろう。 それでも言わないのには、何か理由があると思ってしまう。 あーあ、と大きく息を吐きながら、汐さんが進行方向へと体を戻す。 「まーた的外れな男だったらどうしてやろうかと思ったけど……違ったみたいで良かった良かった!」 繰り返し、「良かった」という彼女は本当に満足そうだ。 姉思いの、いい子だな、なんて思っていたら、汐さんはくるりとこちらを向いて、悪戯っぽく笑った。 「イケメンな顔、殴らずに済んで!」 「そっち?」 思わずツッコミを入れ、ふき出してしまった俺に、彼女も楽しそうに笑顔を見せた。 .
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