【番外編】またひとつ、好きになる

23/40
1667人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
  「おねーちゃんの趣味、知ってるんだね?」 「……晩酌?」 「正解っ!」 くすくす笑いながら、汐さんは悪戯っぽく言う。 「おっかしーよねー? 趣味は飲むことなんて、どこのオッサンなわけ? って。もー、女子力ゼロって感じじゃん!」 「そう……かな?」 「そこをヘンだって思わない長瀬さんがすごいんだってば!」 いつの間にか、彼女の笑い方は控えめさを失っている。 それでも不快に思わないのは、羽村に対する愛情を帯びているからかもしれない。 「ま、そういうところも愉快でカワイイんだけどね! おねーちゃんは!」 なんて締めくくった汐さんは、羽村の家に帰り着いた瞬間、とんでもないことを言い出した。 .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!