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アスナ「ただいま」
アスナ、基礎の中へと足を踏む入れてその場にしゃがみ込む。
アスナ「はーっ、今日も疲れたよ。学校で色々あってさ……それより聞いてよ、お母さん。お父さんヒドイんだよ。お母さんがいないことを良い事に新しい女なんか作っちゃってさ。信じられないよね、お母さんがいなくなってまだ3年だよ?」
アスナ、腕の中に顔をうずめる。
アスナ「お父さん。きっと今日がどんな日なのか覚えてもいなんだ。ねぇ、お母さん……なんで死んじゃったの?」
アスナ、おもむろに立ち上がり空を見上げる。
空には膜があるが他の場所と違い所々に亀裂が入っている。
アスナ「もう3年か……」
○回想グラゼ
壊滅する前の市街。人も多く賑わっている。
公園で遊ぶ子供たち。その中のひとり、ボールを手に持った子供が空を見上げる。
子供「あれっ?」
子供が見ている先の空が割れる。そしてそこから大型のガリオンが現れる。
子供「うわあ~っ、本物の怪獣だ! すっげぇッ!」
子供はキラキラとした目でガリオンを見つめる。
そんな子供に気づいたかのようにガリオンが向きを変える。
ガリオン、口を大きく開く。
ガリオンの口内が輝きはじめる。
○回想グラゼ・小学校内
爆発音が響き、衝撃波で校内が揺れる。
授業中だった生徒や教師が何事かと窓の方を見る。
窓際の席のアスナもみなと同じように窓の向こうを見る。
すると、市街地に降り立った巨大な化け物が暴れ回っている様子が見えた。
皆が席を立ち、窓際へと集まる。
男子生徒1「おい、なんだよあれッ!」
男子生徒2「映画の撮影とか?」
男子生徒3「んなわけないだろ」
教師「おまえら、落ち着け! 席に戻れぇッ!」
男子生徒1「せんせー、落ち着けってそんな場合じゃないと思うんですけど!」
男子生徒3「避難とかしないんですか!」
教師「いまからその指示を出す! だから――」
アスナ「あっ、あれ!」
と、空を指差しながらアスナが勢いよく立ち上がる。
アスナの指さす先にあった空が割れていく。
膜の向こうには、膜を食い破るガリオンの姿。
教師「おっ、おまえらいますぐ逃げろッ!」
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