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生徒たちが一斉に教室から駆け出す。
女子生徒「アスナちゃん! 私たちも早くいこう!」
アスナ「う、うん!」
アスナ、逃げる。
○回想グラゼ
大型のガリオンに似た小型のガリオンが、何体か市街の各所に降り立つ。
ガリオン、咆哮をあげると口を開きビームを放つ。
その一筋の光が街を焼き払っていく。その射線上にあったアスナの小学校も半分以上が吹き飛ぶ。
○回想グラゼ・小学校内
粉塵が舞い、崩壊した校内。
わずかに残った廊下に倒れているアスナ。
額からは血。
アスナ「ううッ!」
アスナ、起き上がり周囲を見る。
アスナ「みんな……?」
崩壊した学校を見て、茫然とした顔のアスナ。
アスナ「ねぇ、みんなどこ? 先生?」
アスナ、よろめきながら立ち上がる。
ガリオンの咆哮。
体をびくつかせるアスナ。咆哮が聞こえてきた方を見る。
ガリオンの姿。
アスナ「ひっ……!」
恐怖に目を閉じるアスナ。
アスナ「お母さん……お父さん……」
ハッとした顔になるアスナ。
アスナ、自分の家がある方角を見る。
そこからはすでに炎があがっている。
アスナ「お母さん!」
アスナ、走りだす。
ボロボロの服で、涙を流しながら無我夢中で走るアスナ。
アスナ「お母さん! お母さん! お母さんッ!」
○グラゼ・アスナの家跡地
泣きそうな顔のアスナ。
アスナ「……お母さん」
車のエンジン音が聞こえ、止まる。
オリト「おい、そこのキミ」
アスナ、その声に後ろをふり返る。
と、そこにはサイクスの制服をきたオリトの姿。
ジープに乗っているオリトは、車に乗ったままアスナに言う。
オリト「こんな所でなにやってんだ? 危ない輩がいるかも知れんぞ」
アスナ「……あんたのこと?」
オリト「俺? 俺は違うって! ほら、俺はこういうもんだよ」
オリト、車から降りて胸元につけられたサイクスのロゴを親指で指し示す。
アスナ「サイクス……」
オリト「そういうこと。こっちはお仕事でここにいるってわけ」
アスナ「サイクスの仕事ってあの化け物を倒すことよね?」
オリト「んっ? ああ、そうだよ。俺はあの人類の敵であるガリオンを倒す正義の味方さ。どうだ、カッコいいだろ?」
アスナ「なんで?」
オリト「ん?」
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