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オリト「おーこわっ。わかったよ。ただ、おせっかいでひとついいか?」
アスナ「なによ?」
オリト「キミのお父さん。今日のことを忘れてるわけじゃないと思うぜ。ただあまりにも辛い出来事だったから、必死に前に進んで乗り越えようとしてるんじゃないか? だからさ、あんまり嫌ってやるなよな」
アスナ「……さよなら」
アスナ、少し眉をひそめこの場を去っていく。
○グラゼ
アスナ、駅へと戻る道を進みながらため息をつく。
アスナ「あたし、なんであの人に当たっちゃんたんだろ。あの人が悪いわけじゃないってわかってたのに……」
と、ガリオンの咆哮。
それを聞いてアスナは体を竦ませる。
アスナ、恐る恐る空を見上げると空の亀裂からガリオンが侵入している様子。
アスナ「あっ……ああッ!」
昔の出来事を思い出し、体を震わせるアスナ。
X X X
ジープを走らせるオリト。通信機を使ってサイクスの基地へと連絡を入れる。
オリト「こちらアストロノーツのオリト・スラックス! ガリオンが現れたッ! 場所は旧市街のB区画だッ!」
オペレーター「了解。こちらでも反応は確認しています。ディーンドライブをすぐに向かわせます。オリトさんも至急本部にお戻りください」
オリト「いや、ダメだ!」
オペレーター「えっ!?」
オリト「俺はまだ帰れないッ! 女の子がいたんだ、彼女を助けないと!」
○サイクスガリオン襲来対策本部
多数のディスプレイや機器が並ぶ指令室。
その中でオリトから通信を受けたオペレーターが困った顔で対応している。
オペレーター「オリトさん何を言ってるんですか? 戻ってきてください!」
オリト「あの子はきっとまだ遠くにはいってない! 彼女を見殺しにしろっていうのか!?」
オペレーター「それは……しかし、オリトさんがいなければオルトロスが――」
本部長「かわれ」
オペレーター「本部長」
本部長「私だ。オリト、すぐに戻れ」
○グラゼ
オリト「いくら本部長の命令でもそれは聞けません!」
本部長「オリト、子供みたいなことを言うな。1人のために多くの命を危険にさらすつもりか?」
オリト「俺は命を天秤にかけられません! ただ目の前に助けられる命があれば助けたいだけです!」
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