2:甘い香り

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 コチコチコチ  時計の針の音が耳に住み着いてるよう。目を閉じると、青とピンクが私を掴んで離さないから、ずっと部屋を眺めていた。 ************ 『のん、この部屋の中に俺以外の男は絶対入れんなよ。……陸も駄目だからな』  海が後ろから抱き締めて言ったの。 『……お父さんも?』  ちょっとイジワルに言った私。 『……バカめ』  海は耳元で言った。そのまま耳朶を遊ばれる。 ************  幸せな時を思い出して、フフッて笑った。  部屋のあちこちに海が居る。  いつも笑顔の私達が幸せそうに部屋で過ごしている。その過去を部屋に描いた。フフッて笑いながら、朝方近くまで、コチコチコチの音と一緒に過去を旅した。  今の私の笑顔は、あの頃の笑顔のままだろうか? .
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