160人が本棚に入れています
本棚に追加
「本や雑誌から色々吸収した。まあ、広く浅くだけどさ。んで、会社の面接ん時にさ、それが役立った。……あの知識がなきゃさ、俺たぶん採用されなかったと思う」
そういえば、陸は面接の後笑顔で出てきてたっけ。前日面接だった海は意気消沈だった。私は、陸と同じ日で、陸が笑顔で出てきたことで、肩の力が抜けて落ち着いて面接に挑めた。
「何が役立ったの?」
「ステテコ」
「はっ?」
想像もしない言葉に、私は口をあんぐり開けた。
陸が笑い出す。
「のん、口閉じろ」
陸の指が私の上下の唇を密着させた。させただけじゃなく、クイッと摘ままれて、あひる口。
「ぅう」
喋れなくて、睨む。
ぱっと指が離れた。
「もおっ! 陸、指見せてよ、ファンデと口紅着いたんじゃないの?」
陸の指を掴んで確認。ティッシュを出して拭く。
.
最初のコメントを投稿しよう!