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「おいおい普通自分の顔、先に確認しねえか?」
陸の手が離れて、それからまた……
そっと顎に触れる。本当に軽く。そして本当に少しだけ上がる。陸が私を見ている。
「駅でトイレ寄ってくか」
そっと手が離れる。
「ぅん」
駅に着いてた。……あれ? 私、……ベンチだ。そう、あの場所が苦しくて、
なのに、いつの間にか駅だ。
どこからそうなったっけ?
「のん? 行かねえの?」
陸がトイレを指す。
「あ、うん、行ってくる。……陸も指洗った方がいいよ」
お互いにトイレに入っていく。
「あ、ちょっと……」
少しだけ、化粧が崩れていた。ポーチからファンデと口紅を出す。
鏡に映った私と、紫陽花?
鏡の横に紫陽花が飾ってあった。
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