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そっか、カタツムリと紫陽花だ。
陸……
気づいたからだよね? 私があの場所に近づいて不安定になったから。それを感じて、だから……
苦しくなる胸。でもこれはあの場所の苦しさとは違う苦しさ。
溢れ出そうな"何か"を必死で押さえている苦しさだから。
鏡の中のわたしは苦笑い。
トイレを出る。陸を捜す。陸は誰かと喋っていた。誰だろう? 陸は私に合図を送ってきた。私は頷いて、先にエレベーターに乗った。
エレベーターを降りてすぐの乗り口に立つ。
反対側のホームに電車が着く。生ぬるい風。発車した電車を目で追う。
もう一度反対側のホームに目を向けた。
体が強ばる。
そこに、気まずそうな海とあの"ヒト"
またあの腕は海に巻き付いた。
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