11:凛として

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 勝ち誇ったようなあの"ヒト"の顔。  海……  魔女はもうどうでもいい。  私は小さく息を吐いて、体の強ばりを解いた。 『見失わないで』  先輩の声を思い出す。  海を見つめる。凛とした私を見てほしい。  私は笑顔で手を振った。  声を出さずに、『おはよう』と口を動かす。 「のん!」  背後の声。陸の声。私はその笑顔のままで振り返る。陸にも見てほしいから。 「海が反対側のホームに居るから、手を振ってたの」  自分でもビックリするほど、穏やかだったの。私の声も、気持ちも。 「……そっか」  陸が優しく私を見る。  私の横に立ち、陸も同じく手を上げた。  二人で、二人を見る。  魔女は驚いた顔をしていた。知らないの? 海は魔女には何も話していない?  海は気まずそうな顔から、鋭い顔でこっちを見ていた。ううん、陸を睨んでいた。 .
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