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そっか。
こういうことなんだ。
私は今揺るぎなくここに立っていられる。
おかしい表現かもしれないけど、後ろめたい気持ちはない。
だって、私は陸に逃げなかったもの。寄りかからず戦っているもの。正々堂々と胸を張れるもの。
先輩の言葉をまた思い出す。
『戦うのは自分の弱さよ。自分の弱さと対峙しなさい。簡単に寄りかかる女にはなっちゃダメよ』
込み上げる熱いもの。私はもう一度海を見る。未だに陸を睨んでいる海を。
魔女は、一生懸命海に話しかけていた。……可哀想にまったく相手にされていない。
海をしっかり見て、また声を出さずに伝えた。
『海! 越えて』
と。
海が困惑している。陸は隣で『プッ』と笑った。
「のん、なんて言ったんだ?」
そう、私達は後ろめたくなく、堂々と会話できる。
「フフッ、応援したのよ」
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