11:凛として

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「え? あれをか?!」  陸は魔女を指差す。 「なわけあるかー」  突っ込んだ。 「だよな。あれはかなりイタイな……プッ」  私も魔女を見る。……見れなかった。ホームに電車が入ってきたから。 「よっし、頑張ろうぜ!」  陸と電車に乗る。もう二人には目を向けない。会社に行くのだ。頭を切り替えた。 「おはようございます!」  部屋に入り、すでに着いている人達に声をかける。 「おはよう」  背中に届いた声は課長だ。  バッと振り向いて、 「おはようございます! 昨日はすみませんでした! 今日も、いえ、これからもよろしくお願いいたします!」  深く頭を下げる。 「え? 僕ね奥さん居るから、そんな積極的に迫られても、いやぁー、もてる上司は辛いなあ」  って、おーい!  皆が笑い出す。 「ちぇ、ふられちゃった」  私もノルけどさ。 .
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